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とんかつ通信(不定期刊行物) 第21号

編集・発行すずや店主(軽薄?敬白?)

<はじめに>

皆様こんにちは。街にはクリスマスイルミネーションが輝き始め、あっという間に過ぎ去ろうとしているこの一年を、何か非常にいとおしく思える季節となってまいりました。
 しかし、この時期になっても尚、晴れの日の日中には半そででも平気?と感じる日和もあったりして、嬉しいどころか地球温暖化が進んでいることが原因、と考えれば喜んでばかりでいられません。新しく迎える一年、そしてまたその先の将来に様々な不安を感じざるを得ません。希望のある未来を思い描けるようにするには、まずどんな小さな事でも日頃気になる善行を今直ぐ始めるしかないと思います。

 ともあれきょうも数ある飲食店の中から「すずや」をお選びくださり本当に有難うございました。心から厚く御礼申し上げます。


<新しい時代のスローガン>
〜ロハス 目標を見失ったままの空白の平成時代に終止符を!〜

改めて振り返ってみますと、戦後の日本、焼け跡からの著しい復興、そしてその後30年余りも続いた高度経済成長を支えてきた国民的スローガンは「(欧米に)追いつき追い越せ」であり、「(池田総理の)所得倍増計画」であり、はたまた「(田中角栄氏の)列島改造論」であったと思います。
 決して"スローガン"と認定?されたわけではありませんが、国民の大部分が新聞やテレビを通じて認識し、共感納得し、毎日の社会生活の中で無意識にあらゆる行動の“支え”になっていた様な気がします。
 そして更に、これらの“言葉”の底流にあり、同じく多くの国民が長きに渡って妄信していた一つの"言葉"がありました。それは明治以来の「近代化」と言う“言葉”であったのではないかと思います。わが国にとってこの“言葉”がもたらしたエネルギーはとてつもなく大きかったのではないでしょうか。「近代化」この一つで突っ走ってきて世界第二のGDP大国になったと言っても過言ではありません。

 しかし昭和末期にこのゴールが達成され、バブルに酔って、崩壊後目が醒めた時は、あまりに負った傷が深すぎて、誰にも次の目標が見出せなかったように思います。まずはバブルの"敗戦処理"、これが当面の目標であったのかもしれません。そして、瞬く間にいわゆる“失われた15年”が経ってしまいました。
 今日、世界では昔目標としてきた"近代国家"がこぞって様々な矛盾を抱えて混迷しています。一方国内に目を向けてみても、表面的には敗戦処理=いわゆる不良債権処理にも目処がついた?と言われ、また新しい産業と言われていたITも第一幕が終わった言うところで、漸く皆が「これからどうする」のか、「どのような社会を目指していく」のか、いわゆる“次の時代のビジョン”を潜在的に求め始めているような気がしてなりません。
 まさか”郵政民営化“でもなく、"行財政改革"である訳がありません。これ等は所詮政治家が自らに課すスローガンであって国民不在です。言葉、"言霊(ことだま)"はとても大きな力を持っていると思います。
 
 何かこれからの時代を創っていけるような、暗闇の先の灯りになるような希望は無いかな、と常日頃考えていました。そんなある日これ迄の長い”時代の漂流”に終止符を打つかも知れぬ、一つの"新しい言葉"、新しい"価値観"に出会いました。
 それは"ロハス(LOHAS)"という言葉でした。"Lifestyles Of Health And Sustainability"の頭文字を合わせた造語です。この言葉の意味を知った瞬間、「待っていたのはこれだ!」と思いました。
 既にご存知の方も多いかも知れませんが、これは米国の社会学者ポール・レイ氏と、心理学者シェリー・アンダーソン氏が提唱し「健康や持続可能性を重視するライフスタイル」を意味しているとの事、よりわかりやすくは、心と体、地球に優しいライフスタイルとも呼ばれたりしています。
 それは人々の意識改革を促して、健康と地球環境を大切にしながら様々な側面でライフスタイルを変えていこうと言う動きです。既に欧米でも日本でも非常に大きな速度で浸透しつつある"考え方"で、例えば具体的に食品分野では有機栽培、自然食品、伝統製法、スローフード等に焦点を当てるように、各業界や分野ごとに見れば単なる一つの流行のように見えながら、"ロハス"は全ての分野を横断してどんどん内容が進化しているのが特徴です。
 健康や自己啓発分野ではオーガニック原料を使った化粧品、漢方薬、針灸、ホメオパシー(同種医療)、ヨガ、フィットネス、ヒーリング、アロマ、スローライフ等を指します。こんな感じで最近はやりの事象全てを横断的に見ていくと、その底には一つの新しい価値観が人々のライフスタイルの変化を通じて多くの日本人の間に定着しつつあることがわかります。

 結局今、日本人は何を求めているのか?これを一言で要約すれば「安心」ではないでしょうか。普通の人が普通に楽しく暮らせて、そのまま心配なく一生を過ごせる、この言わば平凡というか、当たり前の事が誰も出来なくなっている今の社会、この“ロハスな生き方”そしてその延長線上にある21世紀の「成功」の定義を、師と仰ぐ経済アナリストの藤原直哉氏は新生日本の国家ビジョンとして「グレイト・コラボレーション=偉大なる共生社会の建設」と謳いました。さてあなたはどのように思われますか?

(興味のある方は雑誌「ソトコト」、或いは藤原事務所http://www.fujiwaraoffice.co.jp/ を)

<飲食業の潮流>
〜原点回帰?格好より本音?恵比寿界隈でブレイクする"立ち呑み"〜

昔々、近くの酒屋さんの裏の出入り口付近で、当時のおじさん達が明るいうちから競馬新聞を片手にコップ酒を飲みながら楽しそうに談笑している姿を見て、「将来、自分もあんなふうに成るのか?」考えた事を思い出します。
 そして今時代は巡って、仕事帰りのビジネスマンやOLの方が人目も計らずお洒落に"立ち呑み"を楽しむ時代がやって来ました。

 この2〜3年、西麻布や恵比寿に出来た"焼酎の立ち飲み店"から端を発し、今やコップ酒+ホルモンor焼き鳥の日本復興系、焼酎+干物の和風シンプル系はもとよりワインバー系、レストランでも流行のスペインバール系、はたまたカップ酒ばかりのマニア系まで、多種多様な"キャッシュオンの立ち飲み"スタイル店が都内各所に派生しつつあります。
 魅力は「気楽さ」「気軽さ」「はしごが可能」「短時間」等、そしてどこか格好良いのです。(筆者一押しは西麻布交差点近く焼酎"凛"、恵比寿ストア内ワイン"Whopee"です)

 

<とんかつやが選んだとんかつや>
〜何故とんかつ店のご主人はかくも生真面目なんだろう〜

今まで訪ねたいわゆる“味”で売っている店では、必ずと言ってよい程ご主人が一人で黙々とカツを揚げていた。
 今回旧友から「15年通い続けている店がある」と聞いて訪ねたこの小さな店も決して例外ではなく、わき目も振らず、客にも媚びず、ただひたすらに仕事をしていた。そして出会ったカツの味も正に肉の味を引き出した逸品であった。

*勝漫(かつまん) 東京都千代田区神田須田町1-6-1 電話03-3256-5504 日祝休
特ロースカツ定食1,800円

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第21号 –完–
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