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とんかつ通信(不定期刊行物) 第3号

編集・発行すずや店主(軽薄?敬白?)

<はじめに>

皆様こんにちは。いつも当店をご利用下さり誠にありがとうございます。この時代に星の数ほどある飲食店の中から、すずやを選んでくだっさったことに心から感謝申し上げます。
 皆様の期待を裏切らぬように頑張って参ります。どうぞ宜しくお願いいたします。

<最近思うこと>〜思いは実現する〜

何とまあ蒸し暑く、梅雨も明けぬまま鬱陶しい毎日が続くのでしょう。「夏ってこんなに蒸し暑かったのか・・・」と改めて思う今日この頃です。

 世の中の動きの方も、丁度この異常な気候のように晴れ間の少ない鬱陶しい感じで、嫌な事件が次々と起こっているような気がします。

 事件は起これども犯人は捕まらない、解決しない、そのうちまた新しい出来事が起こって昔の未解決事件を我々は忘れてしまう。こんな事が多いと思いませんか?
 世界中でなかなか解決の付かない厄介な問題ばかりが起こっているような気がします。

 少なくとも、起こった事件や問題の数に比べて、片付いたり解決された事件はあまりにも少なすぎると思いませんか?
 そうこうしているうちに、どんどん、どんどん未完了の事項が蓄積されていって、知らぬ間に、やがて大きく世の中が変わってしまう・・・、こんな嫌な予感がします。
 早くスカッとした爽やかな秋晴れの日を迎えたいですね。
 

「想いは実現する」

 最近よくこんなタイトルの本を書店で見かけますが、これはある意味で本当だと思います。
 
 飛行機を発明した、かのライト兄弟もやはり最初は空飛ぶ鳥を見て「あんな風に人間も自由に空を飛べたら良いなあ」と思ったのではないでしょうか。
 そんな最初の想いがきっかけとなって、やがてそれは現実となる、子供の頃漫画で見た未来社会の様子も、今日、新しい羽田空港付近の首都高速のインターチェンジ等を車から見ると、その記憶とそっくりなことに気付きます。
 
 我々人類の長い歴史も最初はまず人間が想うことから始まる・・・、そう言っても決して過言ではないのだと思います。
 「天下を取ろう」と思ったからこそ、秀吉も天下を取った、或いは、「平和の方が良い」と思ったからこそ戦争が終わったのでしょう。
 
 ということは、これからの我々の将来も今我々が考え、想うことから始まりそして形づけられていくのではないでしょうか?最近あまりに暗い話題ばかりが続くので、私達は明るい未来を諦めつつあるような気がします。
 「想いが実現する」ならばよからぬ想像や、諦めの気持ちはかえって将来をもっと暗いものにしてしまうかもしれません。
 こんな時こそその可能性を信じて、みんなで明るい明日を想像しましょう、願いましょう。「想いは実現する」、「人間の想念が歴史を作る」これらのことが真実ならば、明るい将来の為にそれを利用しない手はありませんよね。楽しくわくわくするようなことを想像しながら「みんなで明るい明日を作りましょう!」

 

<とんかつ屋が選んだとんかつ屋>〜丸栄(東京目黒)〜

前回の成城学園にある「椿」はいかがでしたか?

 今回の第3回は目黒区自由が丘の駅前ロータリーからほど近いところにある小さなとんかつ屋「丸栄」を推薦させていただきます。
 
 路地を入っていくと思わず見過ごしてしまいそうな平凡なたたずまい、とんかつ屋というより一杯飲み屋といった感じの風情です。
 店内は狭く、とてもシンプルなお店です。一階にキッチン(と言っても冷蔵庫と調理用ガスコンロがあるだけ)と、それに面するカウンター6席、狭い階段を上がった2階は12席のテーブルのあるお座敷です。
 働いている方は皆さんご家族のようで、親爺さんと娘さん達といった感じですが、皆さすがに自由が丘、気品をもっていらっしゃいます。

 オーダーが入ると親爺さんが小さな冷蔵庫の中からきれいにソウジされた肉を取り出します。(ソウジとは=業界用語で肉や野菜の下処理のこと、つまりこの場合はブロック状になった肉から筋を取り除き、一人前ずつの目方に切り分けて、揚げたときに肉が反り返らないように更に脂身と肉との間の筋に包丁を入れておき、予め準備を整えておくこと)

 次にアッサリと霜降りのように脂が指した薄いピンク色の美味しそうなロース肉にパン粉を付け、薄く(2〜3センチ位の)ラードをひいた浅い鍋の中にそっと沈ませる、というよりそっと並べる、と言った感じです。(・・・ここがこのお店の美味しさの秘密だと思います)
 普通はディープフライ、すなわち20cm位の深い油槽の中にパン粉で包み込んだ豚肉を落とし込んで揚げるのですが、このお店はフランス料理で言う「コートレット」風調理、つまり、これは言うまでもなく「カツレツ」の語源ともなっているとてもベーシックなスタイルで、むしろ焼き上げているという感じです。

 こうしてラードだけで揚げられた豚カツは、まず衣がとてもサクサクとしており、その上中身はジューシーで「肉の旨みがカツの中に詰まっている」という実に理想的な仕上がりとなっています。
 ソースなどは特色はありませんが、むしろそのシンプルなソースの味が一層カツの美味さを引き立てているように思われます。
 そして前回もお伝えしましたが、カツの美味しいとんかつ屋は必ずごはん、味噌汁、漬け物がおいしい・・・、むろんこの店も例外ではありません。とんかつファンにはたまらない一軒です。

*「丸栄」目黒区自由が丘2-11-16 火:定休 03-3717-3418 ロースかつ1100円、ヒレかつ1200円。

「丸栄」の外部(食べログ)ページはこちらをクリックして下さい
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<すずやのこだわり>〜お米について(魚沼産コシヒカリ)〜

8月の上旬のイネ収穫前の日照時間は、お米の食味を左右する大切な要素です。

 すずやのお米を栽培し集荷して下さる新潟県南魚沼郡六日町農協の高橋さんに今年の成育状況を伺ったところ「不順な天候も全体の生育には支障はなかったが、ベストとは言えない」とおっしゃっていました。
 これからの新米はまあまあといったところでしょうか。

 さてこの南魚沼産のコシヒカリは近年、その美味しさから人気が人気を呼んで全国での入札では突出した高値で取引がなされています。
 実際に甘み粘りが際だって、評判通り、世界で屈指のブランドに恥じないと味と思いますが、果たしてその秘訣はどこにあるのでしょうか?

 今回は皆様にその秘訣をお伝えします。

  1. 何と言っても「土」が違う。魚沼地域のほぼ中央を南北に流れる信濃川を始め、付近一帯には縦横無尽に大小様々な河川が流れています。これらの河川は言うまでもなく全て豪雪地帯の魚沼三山(八海山、中ノ岳、駒ヶ岳)と苗場山麓から流れ出る山のミネラル一杯の天然の雪解け水で、夏期には低温な潅漑用水として利用が出来ます。植物の力強い成長に不可欠な豊穣な土壌と豊富な水源、まさに日本一の自然環境に恵まれてます。科学的に言うとその土は地力窒素供給力が小さく、登熱向上に役立つリン酸・ケイ酸含量が多いので倒伏しにくく、コシヒカリという品種にはピッタリの性質だそうです。

  2. 味のメリハリをつける温度差あり。出穂後30日間の平均気温は24度程度で、温度の日較差が大きく、更に登熱期間が長いので、整粒歩合が高く、粒重の重い、アミロース含量の低い、充実した高品質米の生産が出来るそうです。
  3. 生産者の方が品質に誇りを持ち、更なる栽培管理、成分分析、品質判定等の技術の向上を図っています。*当店のお米は東京都により検査・保証がなされています。
   

魚沼地域とは、新潟県の南端に位置し、小千谷市、十日町市と北魚沼、南魚沼、中魚沼の3郡16市町村(平地2,中山間14)からなり、面積約2680平方キロメートルで県全体の21.3%を占めています。水田は20248ヘクタールです。

       
第3号 –完–
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