皆様こんにちは。いつも当店をご利用下さり誠にありがとうございます。この時代に星の数ほどある飲食店の中から、すずやを選んでくだっさったことに心から感謝申し上げます。
皆様の期待を裏切らぬように頑張って参ります。どうぞ宜しくお願いいたします。
昭和時代の後半頃によく「戦後わが国は他国に類を見ない経済成長によって大変豊かな国になった」と言われていたのを覚えている方も多いでしょう。
果たして現在はどうなのでしょうか?そしてこれからの21世紀は・・?
確かに今でも餓死者の絶えないアフリカの多くの国々で、人間が「喰うこと」さえままならない悲惨な映像等を目にしたとき、例えホームレスの方でさえ餓死したとは聞くことのない飽食の国日本は、やはり世界の中ではある意味「豊か」なのだろうかと思い出すことがあります。
しかしよく考えてみると、そもそも自分達の住んでいる国が”豊か”なのかどうかということは、他国からの評価や、やれ1人当たりのGNPが・・・といった統計上の数字からでもなく、ましてわが国経済企画庁の発表等によって決められるものではありません。私達自身が国民の一人として、又一人一人の生活者として実感として感じているかどうかの問題だと思います。
なぜこの話しがしたいかというと先月、社員と共に行ったアメリカ研修で改めて日本の貧しさを痛感したからなのです。
研修2日目の朝、ロサンジェルス市郊外の"IHOP(インターナショナル・ハウス・オブ・パンケーキ社)=アイホップ"という(日本でもスーパーの長崎屋さんが提携し、同様な店舗があります)パンケーキを売り物にした朝食に強い、デニーズのようなファミレスタイプ(アメリカではコーヒーショップと言います)の店に朝食に立ち寄ったときのことです。
4〜6ドルの朝食セットのようなメニュー【しかし日本では味わえない香りの高い焼きたてのパンケーキ3種の中から一種と5種類のシロップ、それと卵料理1種とハムソーセージベーコンから1種、更に付け合わせとしてポテト料理1種(マッシュポテトかハッシュブラウンポテト、フレンチフライの中から選べます)が付いている】を注文したときの出来事です。
・・・考えてみればそもそも高級レストランならともかく、米国内に787店もあるチェーン店で、わずか600円程度の朝食セットのメニューの中にもうこれだけ多種な選択があることすら驚きですが・・・。
私達のテーブルに中年女性のウェイトレスが「グッドモーニング!」と明るくフレンドリーな感じで注文を聞きにやってきました。
私は同行メンバーの一人づつから既にパンケーキやポテトの選択については好みを聞き取りメモしていました。しかし卵料理の選択までは間に合わず、ぶっつけ本番となりました。(皆様もスターバックスでコーヒーの注文をする時、急に「サイズは?」とか聞かれて、戸惑ったご経験があられるのではないかと思いますが)
卵料理に至ってはまず、卵は一つか二つかを聞かれます。そして、次にスタイルはスクランブルかオムレツか目玉焼きかを選ばねばなりません。(今までの経験では日本人同行者の約八割は咄嗟に卵二つの目玉焼きを注文します。これなら食べたこともあるし目玉焼きを選んでおけば万国共通、もうこれ以上何かの選択を聞かれることはないであろう・・と期待します)
ところが更にそこから、目玉焼きは片面焼き(サニーサイドアップ)か両面焼き(ターンオーバー)か、更なる上に片面焼きならば蓋をしないのか蓋をする(フライドエッグ)のか、蓋をするのなら柔らかく焼く(オーバーイージィー)か固い(オーバーハード)かまでを聞かれます。
同行の社員達はアメリカは初めてですし英語も聞き取れません。目をぱちくりして「何でたかが目玉焼きでこんなに好みまで聞いてくるのだろう?」と言う面もちでした。
私はこの瞬間に「アメリカまで来た甲斐があった、本当にアメリカは豊かな国である」と改めて痛感した次第です。
アメリカという国の文化論については私はここでは述べる立場ではありません。只、一消費者として客の立場に立った時『豊かさ=選択肢の多さ』と考えると、「我が日本は余りに貧しい、まだまだ遅れている」と思えてなりません。
果たして皆様はどうお考えですか?当社も将来選ぶ楽しさを提案できる会社にして行きたいと思います。
昔食べたあの味が、あの料理が忘れられない・・・。皆様にもそんな経験はございませんか?
今回推薦したい同業の一店、新宿5丁目「かつ銀」さんはそんな昔の記憶から端を発し、その後食い意地の張った私の執念の調査によって偶然と巡り会えた、素朴ながらとてもご夫婦の気が利いていてその上美味しいお店なのです。
思い出は学生時代、今から20年以上前に遡ります。
当時体育会系クラブに在籍していた私は、腹がペコペコに減った練習の帰り、ある先輩に食事に誘われました。
「兄貴から聞いたすっげぇー美味そうなとんかつ屋がある、ちょっと遠いけど喰いに行こうぜ」と、勿論私は誘いを断る理由などありません。先輩の車に乗って首都高速に乗り(確か)錦糸町で降りて数分走った、当時の国技館のそばの構えの良い一軒家のとんかつ屋だったと思います。
今でも下町のちゃんこ鍋やさん等に、お相撲さんのOBや、お相撲さんのような立派な体格をした方が働いていらっしゃるのを見かけることがありますが、確かそのとんかつ屋さんの従業員の方の中にもお相撲さんのような方が何人かいらしたような気がします。
記憶が曖昧な中で今でもはっきりと覚えているのは、その店のメニュー名と今でも忘れられないその店独特のとんかつ料理なのです。まずメニューは「横綱」「大関」と、料理内容は同じでもその大きさ=ボリューム、グラム数によってサイズの大きな方から順番に番付のような名前が付いていました。
そして「”横綱”と言うのは本当のお相撲さんでも食べ切れないほどの量があるよ」と言うお店の方の親切なアドバイスで、私達は確か皆「大関」を注文したような気がします。
そして何よりそのトンカツのうまかったことといったら今でも生々しく思い出されるのです。
超分厚いトンカツの切れ目からのぞく芯がピンク色がかったロース肉、そこから溢れんばかりのジューシーな肉汁が滴りそしてなんと厚い肉の横に包丁を入れた切れ目には、ほっくりとしたにんにくのスライスが分厚く詰め込まれているではありませんか!
衣、肉、そしてにんにくとタレの四味一体となった絶妙なハーモニー・・・。これが私の忘れられない「あの味、あの料理」なのです。
しかし、20年以上経った今、本気で思い立って電話帳をもとに片っ端から電話したり、入手可能なあらゆるグルメ本をひっくり返して見たのですが、とうとうその店の存在を確認できませんでした。(もし誰かご存じの方がいらしたらお教え下さい)
しかし結果は残念でしたが、その調査途上でこの「かつ銀」という、ご主人の心意気がピンと伝わってくる、にんにくかつ(このお店では、揚げる前に生にんにくをみじん切りしてロース肉に挟み込んでいる、肉を揚げる間ににんにくにも自然と火が通り香ばしく、また自家製のポンズダレとも、甘口のソースとも共に良く合ってとても美味しい)に巡り会うことができたのです。 いや縁というのは実に有り難いものです。
*かつ銀 新宿区新宿5-10-4
倉田ビル1階 03-3355-5180 11:30〜20:00(途中休憩有り) 定休:日祝
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